なよなよブログ

旅行と書評と音楽と、仮住まいの寄留者

ドイツ旅行記〜ひとり旅〜

 


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さて2019年もあと残りわずか。今年は3回も海外に行って見事破産しかけて、両親には迷惑をかけた。ロシア、オランダ、ドイツ。オランダはフローニンゲンで開かれたオルガンフェスティバルに参加しただけで大した観光はしていないがドイツは全く個人的なひとり旅だったのでブログに書こうかなと。

 

今年の9月10日から21日までドイツに行ってきた。念願のドイツひとり旅!だったが、冒頭が泣きっ面に蜂状態。

 

あの迷惑千万な台風15号のせいで私の経済的損失は約6万ちょい。京成スカイライナーが運休決め込んで成田空港に電車では行けず、タクシーを使うも甚大な渋滞で成田市にすらたどり着けず、飛行機に到底間に合わないとわかるや、エアチャイナに電話してキャンセルして次の日の羽田の便に変えてもらい、再び東京の我が家に舞い戻り。タクシー代に何と約4万、航空会社のエアチャイナには便の変更手数料で2万取られるという貧乏学生にとっては大変痛い出費を強いられ、ドイツにやっと着いた。飛行機に間に合わずにキャンセルという、生まれて初めての経験。まあ今となっては勉強にはなったと思う。帰国してからも千葉にあるあの台風の爪痕の話をSNSで聞いてなんとも悲しい辛い気持ちになった。

 

 さて今回の旅の目的は、だいたいこの4つ。

 

 

 

行き先はだいたいこんな感じ(以下ドイツ語表記)

München→Würzburg →Hafenlohr(日本ではほとんど知られていないド田舎村)

→Naumburg→Weißenfels(同じく日本ではほとんど知られていない場所)→Leipzig→Berlin→Tangermünde

→(ICEで一気に南下して)München →帰国

 

ミュンヘンからヴュルツブルク、ナウムブルク 行ってそれからライプツィヒには日帰りで訪れ、それからベルリンへ。タンガーミュンデで宿を取ってベルリンには2度ほどか訪れた。それから用事を済ませて一気に南下してミュンヘンから帰国。といったところか。

 

今回は、過去記事で書いた膨大なロシア旅行記🇷🇺より大幅に縮小して1記事にコンパクトにまとめたい。ロシアはなかなか行く機会or行くこと自体が少ない上に情報も限られているかもしれないから。その点ではドイツはメジャーなのではと思い、割愛する部分は増えるが、まあそれは他のブロガーさんの旅行記なりを参照願いたい。私は上に書いたように、いわゆる観光をするつもりがなかった。オルガンを見て、弾いて、というのが主な目的だったから、多くの人々にとってはイレギュラーな旅かもしれない。

 

①オルガンを見て弾くこと

 

最初に弾いたのがこちら。ミュンヘンからヴュルツブルクに到着して、後述する知り合いの案内で弾かせて頂いたWürzburg Domのオルガン。

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少々画質が悪いのはお許しを…。

この大聖堂はWW2の空襲でダメになって、オルガンも比較的新しい物だった。後述する元ドイツ語会話の先生の叔父さんがここの神父さんだったそうでそのつてで今回は演奏させてもらえた。

 

そのあとはナウムブルクの聖ヴェンツェル教会

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これのためにドイツに来たと言っても過言ではない。ジルバーマンの弟子ヒルデブラントが製作したオルガンで、(超ざっくり言えば)かの大バッハも関わった。やっぱり、というか想像以上。聞きしに勝る素晴らしいオルガンだった。(とはいえ、ある知り合いの方は酷評していたが…)

弾き終わって満足して下へ降り、鍵をおばちゃんに返してから教会を出ようとしたら、演奏を聴いていたドイツ人観光客に「さっきバッハ弾いてたよね?とっても素敵だったよ!」と褒められる(もちろんドイツ語)。嬉しかった。

ナウムブルクも思ったより田舎で驚いたが、それ以上に宿が想定外のド田舎で心が折れかけたのも、今となってはいい思い出😅

 

そしてこの旅の最後のオルガンはタンガーミュンデ。

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とってもメルヘンで可愛い街💕ここを発つ頃には、大のお気に入りの街になっていた。また行きたい。

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色々なオルガンをもっとたくさん弾きたかったし、良さげなところへ片っ端から、教会にメールを飛ばしたが、まあドイツ人のメールを返さないことと言ったら。ネットで見たとある情報には「ドイツ人には電話が確実」との事だが、いかんせんこちらは外国人。カタコトのドイツ語では勝負できる自信がまだ到底なかった。だからとにかく鬼メールした結果、このようになったのだ。少し残念だけど、まあ一台も弾けないよりは全然良い経験ができた!ありがたい🙏

 

②前の大学時代にお世話になったドイツ語会話の先生に再会すること

 

 ドイツ語の先生という一面しか知らなかったので驚いたが、この方は長年日本で日本の伝統文化や芸能を学んでいたそうだ(第九を歌える日本人は多いのに、なぜ能の「高砂」を誰も歌えないのか、という先生の言葉が印象的だった)

大学でドイツ語を教えていたが、私が卒業すると同時にご家族を連れて帰国していた。だから約2年半以上ぶりの再会。

 先生とは日本語で会話。奥様が日本人で子供たちも日本語が分かる。夕食をぜひ一緒にと言われ、とっても美味しいドイツ料理を振る舞ってくれた。本当に感謝している。その上、自家製の蜂蜜までいただいた。(ハチミツは食べ尽くしちゃって写真はありません😣)

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[↑グヤーシュと、クネーデル(ジャガイモで作った餅みたいなの。中にソーセージをブッ潰したような具?が入っていた)]

 

 先生のご自宅はWürzburg から車で1時間ちょいくらいの距離にあり、やはりこちらも想定外にド田舎だった。山のふもとにある感じ。当然周りには家なんてなかった。でも日本にいた時は色々あってかなり心が荒んでいて、私はここで何ヶ月ぶりの休息を取れた気がした。

 

ライプツィヒに行くこと(&ド田舎旅)

 

ライプツィヒのトーマス教会を訪れる事が念願だったので、トーマス教会にたどり着いた時は本当に嬉しかった。

...とその前に、ライプツィヒに来たからには限られた時間で他のところも訪れたいと思って、メンデルスゾーンの家に行った。


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そしてトーマス教会行って、教会前のお店でじゃがいもスープを食べる。

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席から撮った写真↑

そして下がじゃがいもスープ。

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④ドイツ語がどれくらい話せるか自分で確かめること

 

これに関しては「かなり確かめられた」というのが正直な感想。なぜなら田舎へ行けば行くほど、こちらが英語で話しかけるのにドイツ語で返してくるからだ。私が明らかにアジア系で(いわゆる東アジア的な顔立ちではないけれど、少なくとも私はれっきとしたアジア人)観光客だってのを向こうも分かってるはずなのに、平気でドイツ語をカマしてきたのには参った。私はチキンなので結局相手に合わせてドイツ語を話すしかないという摩訶不思議な状況下で、大変勉強になった。そう、いずれはドイツに行きたいし住みたいので、大変だったがそれなりに楽しかった。そう、とにかく楽しかった。そして彼らの良いところは、私の拙い、お世辞にも上手いとは言えないであろうドイツ語に対して、ある意味で対等に話してコミュニケーションを取ろうとしてくれたことだった。大変ありがたかった。

 

そしてやはりドイツはすっかり移民の国になり、あらゆる人々がいる。私の名前のこととか、私がハーフだとか、父親がどこの国の人だとか、私がどこから来たのか、ほとんど誰にも聞かれなかったし、言及もされなかった(デパートみたいなところの化粧品勧誘のお姉さんには聞かれたけど😅)。ATMの使い方が分からなくて尋ねたスーパーのおじさんも、私が田舎道をデカいスーツケースを引っ張って歩いている時に話しかけてくれたトラックの運転手も、トイレの使い方を教えてくれた緑髪の(!)ヤンキー兄ちゃんも、雑談をしたホステルのおじいさんも、皆、私にはそういうことは聞いてこなかった。

最初、ちょっと寂しいとは思ったが、だんだん慣れてむしろ居心地の良さを感じた。ここでは皆が違うバックグラウンドを持っていて、皆が違う個性を持っていて、それが何の問題ではない(少なくとも表向きは、だろうけど)から、私のことには、良い意味でも悪い意味でも気にならないのだろうと思った。

日本では妙に悪目立ちしてしまうところがあって軽く病んでいたので、今回これに気づいたことで、居心地の良さを発見した。

 

また行きたい!!!

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[↑タンガーミュンデの夕暮れ]