なよなよブログ

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ロシア旅行記④ヤクーツク

 


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[↑ヤクーツク市街。最初の日に訪れたTraveler’s Cafeの前]

 

    ヤクーツクでは実に濃い体験ができた。いや、あまりにも濃すぎてどうしようかと思ったくらい笑笑。そもそもヤクーツクでは寒さを体験する事とマンモスを見る以外、大して観光の計画を立てていなかった。結果として、ホステルや博物館で出会った色々な人に色々な所に連れ回される事になったw

    だからあまりにも色々な事が降りかかってきて物凄く大変で、でも最高に楽しい4日間だった。

 

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[↑ヤクーツク空港]

 

【1日目】

    モスクワを堪能した後、ヤクーツクまで再び東へひとっ飛びした。到着した時間が早朝6時45分にも関わらず、泊まる予定のホステルのヤクート系(見た目は完全にアジア系。というかモンゴルっぽい)のおばちゃんが車で出迎えに来てくれていた。白人だらけのロシアでアジア系を目にした時の安心感たら。

 

    ウラジオストクもモスクワも、出発前の東京と大差ない寒さだった。モスクワは多少ひんやりしていたし、雪もよく降ったが、気温としてはごく普通の冬だった。その感覚がまだ捨てられていなかった事を思い知る。

 

    空港から出た瞬間「寒っ!」となって慌ててコートのフードを被る。さすがヤクーツク。私たちの滞在中は最高で(最低?)−29℃を行ったり来たりしていた。お昼はもう少し気温が上がったがそれでも−20℃前後だった。ホステルのおばちゃん曰く例年より暖かいのだそう。でもしっかり防備していれば意外とこの気温でも生きていける気がした。

    ただ歩くのが難しかった。やはり永久凍土。普通の場所のつもりで歩くとよく滑った。滑り止めが付いたブーツが必須だったと少し後悔。

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[↑朝のヤクーツク。太陽が昇るのが遅い印象だった]

 

    朝食が取りたかった私たちのためにおばさんがホステル近くのカフェに止まってくれて、そこで朝食をとる。

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[↑Traveler’s Cafeにて。私が窓を眺めている]

 

    ここのカフェのヤクート系店員さんがアメリカ人顔負けのペラペラな英語で色々説明してくれて感激しながら朝食を取る。

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[↑写真では分かりづらいかもしれないけど、ダイヤモンドダストが見られた!]

 

    お昼までホステルで休む。ホステルと言っても人様のアパートに泊めてもらっているような感覚だった。

 

    ホステルの人(先ほど登場したおばちゃんのお兄さん)にどこ行きたいか聞かれ、私たちが適当に「マンモスが見たい」と言ったら本当にマンモス博物館に連れて行ってくれた…!

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[↑↓マンモス]

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    私たちはここで思わぬ出会いを果たした。お節介にもホステルのお兄さんが、学芸員らしき白髪混じりの男性(同じくヤクート系)に「日本から来た子たちに英語で説明してやってくれないか」とか言ったらしい。するとやってきて、彼のご好意で館内を英語ガイド付きで見学させてもらえた。セルゲイ・フェドロフ氏。名刺をもらったがロシアの北東連邦大学で教授をしている人で、かつ、大学内のマンモス展示館の館長でもあるらしい…!すごい。(あとでググったが本当に本当だった!笑)

    ちなみにNHKのドキュメンタリー番組「体感!グレートネイチャー」の制作にも関わった事があるらしい。なんとまあ。

 

    そのあと「この後はどこを回るのか」「明日はどこを観光するのか」と色々聞いてきた。はっきり言って綿密な計画を立てていた訳ではなかったので面食らってしまった私たちに彼は「ヤクーツクは寒いし、歩いてどこかに行くのは難しいのだからちゃんと計画を立てないといけない」と軽く説教をかましてきた。すんまへん。。。笑

 

    そしてそのあと、半ば強制的にホステルのお兄さん&そのご友人に連れて行かれた氷の洞窟へ。寒さを満喫するプログラムとしては粋な計らい(違う)

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[↑ヤクーツクの一風景、確かホステルの近く]

 


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[↑氷の洞窟の内部。ヘルメット装着が義務付けられる]


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[↑何故かカーリングのストーンがあったので少し遊んだw]

 

    この後、なんとヤクーツク料理を食べられる店があるというので連れて行ってもらった。Chochur-Muranというお店にて。

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[↑ヤクート人の伝統的な家屋をモチーフにした内装]

 

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[↑凍らせた魚の切り身!連れてってくれたホステルのお兄ちゃんには「サシミ!」と言われたw]


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[↑不思議な形をした入れ物。ヤクーツク伝統のお酒]

 

    そして夜は、例の教授セルゲイさんが息子を連れてホステルにやってきた。息子さんの名前はティムール君。これまた物凄く流暢な英語を話し始めて私たちは内心すっかり仰天してしまった。話してても良く分かったが、なかなかの秀才らしく、教授自慢の息子という感じがした。教授は英語話すのに疲れたのかティムール君に通訳させて自分はロシア語をまくし立て、夜が更けていく。

 

    私がGoogleマップで偶然発見したヤロスラフスキー民芸品博物館に行きたいと、試しに言ってみると教授氏は「ロシア語ばかりの展示では分からないだろう、知り合いにガイドさせるよ。息子をその通訳に付けるから明日3人で行きなさい」と言われたwwええぇぇえ!?

 

    なんとも言えないお節介な待遇。こんなに手厚くしてもらえるとは思っても見なかった。大丈夫かなぁという不信感が無いわけではなかった。でも今思うと、彼らは本当に心から歓迎してくれていたんだなぁと。人との出会いって大切。ほんと、大事にするべきだと改めて感じた。

 

【2日目】

    この日はティムール君と待ち合わせしてヤロスラフスキー民芸品博物館に行ってきた。教授が昔、ここで10年ほど館長をしていたそうだ。

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[↑ヤロスラフスキー民芸品博物館]

 

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[↑ヤクート人男性の民族衣装と、女性の服飾品]

 

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[↑繊細なアクセサリーの中に勇ましさを感じる]

 

    お約束通り、ガイドさんが現れてティムール君が通訳をしてくれた。ヤクート人の歴史を耳で聴き、目で見る貴重な体験。非常に面白かった。特に白系ロシア人による入植の歴史は心に迫るものがあった。

 

    昼食兼夕食のようなものを食事してから、ティムール君が氷の彫刻パークに連れて行ってくれた。その途中でWW2の戦死者記念碑があった。

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    氷の彫刻パーク、地獄のように寒かった(なんか喩えが違うw)。というか結構長い間、外を歩いていたせいもあったかもしれない。私たちは手足が壊死しちゃうんじゃないかってくらいカチカチになって痛み出して、もう限界ってなった頃にようやくセルゲイさんがタクシー飛ばして迎えに来てくれたwありがたや〜〜

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[↑氷の彫刻パーク。寒すぎてあまり写真が撮れず]

 

    ティムール君には案内と通訳で大変お世話になったので(彼を見ていて、同時通訳が如何に大変かがよくわかったw)、さすがに何かお礼をしなきゃと思い少しお小遣いとお菓子をあげたらとても喜んでくれた。よかったよかった。

 

【3日目】

    激しく世話焼きなホステルのお兄ちゃん&教授氏親子と別れて、ホステルを予定通りチェックアウトしてから空港近くのホテルにチェックイン。すぐにホステルが寂しく感じられた。なかなかの塩対応で、しかも外国人が使えるWi-fiがないという異常事態wホステルにさえWi-fiあったのに…!

 

    とりあえず荷物を部屋に入れて、お腹が空いていたのでヤクーツク空港近くのオルズというお店でご飯を食べる。ここのボルシチ、ロシアで食べたどのボルシチより美味しかった!!

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[↑オルズにて]

 

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[↑↓ヤクーツク空港近くにて。何とも言えない寂寥感を覚える]


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   夜の食料を調達してからホテルに戻る。日本への帰国が目前に迫っていた。ヤクーツクからの直行便or乗り継ぎ便がなかったので、次の日朝早くにまたモスクワに逆戻りして1泊する予定だった。

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[↑サラミパーティwこの後ちょっと胃もたれがしたw]

 

    そして次の朝早くにホテルをチェックアウトして、空港に行き、モスクワへ。ヤクーツクを離れるのがこんなに寂しく感じるとは思わなかった。予想をはるかに上回る充実した滞在だった。お世話になった全ての人に感謝しつつヤクーツクをあとにする。いつかまたここに来たい。

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